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ピストルのたまは、『コシヒカリ様』の上を通り過ぎ、米俵の袋に命中し、米俵に穴があきました。
「今よ、皆逃げるのよ。」
どこからかするどい声がします。『お米くん』がおたおたしていると、
「ぐずぐずしないの。『お米くん』、あなたから逃げるのよ。」
「でも・・・」
「あなた、お家にかえりたいんでしょ。」
「でも、あなたは一体誰ですか?」
「私は『もち米』よ。そんなことより、『コシヒカリ様』をお連れして逃げなきゃいけないんだから、早くその穴から飛び降りて。」
 そこへ、2発めの銃声が響きます。バーン!!
『お米くん』は慌てて飛びおりました。その後、わらわらと他のお米たちも飛び降ります。
当然、あやしいお米も後に続きました。
皆、思い思いに近くの米俵の陰に隠れました。

「あ〜、びっくりした。一体、何がおこったの?」
「あれは、コシヒカリ様のお命を狙う、殺し屋の『きらら397』です。
ちなみに、私は『コシヒカリ様』の給仕をしております、『こめや』です。」
「とにかく、ここは危険だ。これも何かの縁。我々も『お米くん』を『お米くん』の田舎に連れて帰してあげましょう。」
「はは〜」
誰もが『コシヒカリ様』の声にひれふしました。
「よかったわね。」
いつのまにか、隣でウインクしてくれるのは、もっちりした『もち米』さんでした。


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