長距離ランナーNo.1

人々のざわめき
目の前に続く一本の道
その一点を見つめて 大きく一呼吸
今にも逃げ出しそうな 自分を抑える
     「ヨーイ」 
それぞれの位置につく 
心臓の鼓動と血液の循環が速くなる
      バーン! 
火薬の匂いを後に 走る
不思議だ 
あんなに恐かった一瞬が
今は嘘のように落ち着いて
代わりに 様々な想いが
走馬灯の様に かけめぐる
 中学へ入学
 希望と憧れに満ちあふれていた日々
 初めての部活
 新しいクラスメート
「先輩」と言われたときの気恥ずかし     さ・・・・

風がとてもやさしい
私は風と同化する
山を越え
一本の草にもたえまなく吹く風に

小さな石につまづきそうになり 苦しくなる
汗が目に入り 前が見えなくなる
暑く 体がだるい
この足がなくなれば どんなに楽だろう
今 この足を止めれば・・・
何故 私一人が
苦しみを味あわなくっちゃいけないのだろう
もう嫌だ こんな思い
早く 今日という日が終わってしまえばいい
ああ せめて半日でもいい 時間を進めたい

頭の中が真っ暗になったとき
心の窓のすきまから
一条の光が さしこむ
私は 光にむかって走る
希望という光に・・・・


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