山に想う
 
 12月30日、久しぶりに山に登った。
一時期、夢中になって朝日に輝く草木を写真に納めていたが、
2年めは、1年めに撮れなかった写真を撮りおさえる程度になり、
3年めになると、だんだん気持ちが沈んでいった。

 何故なら、自分の写真に限界があり、感動も1年目より薄れていき、
写真に覇気がなくなってきたからである。
それ故、だんだん足が重くなり、遠のいた。
でも、写真を撮っていると、自分の撮った木の成長ぶりや、葉っぱの変化に気づくことがうれしかった。

そんな諸々の気持ちを抱え、山に登った。
何を求めるでもなかったが、自分を見つめる時間は、
いつも山の中だけだった。

久しぶりの山は、いつも変わらず私を迎えてくれる。
ハクビシンと遭遇した場所、フクロウが音もなく目の前から飛びだした木のうろ、イタチと出会った道、山は時に思いがけない宝物を落としてくれるていたのに、いつの間にか写真に取り付かれ、何かを見失っていたように思う。


 これから撮る写真も、やっぱり変わりばえのないものだろうけど、
もし10年、変わらず撮り続けていたら、何か変わるかもしれない。
それより10年、同じ情熱で登り続けるかの方が大きな課題だ。

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